キスに秘められた大粒の涙

私の体を抱き離しては、優しく髪を撫でる晃。


「私を守ってください」


「それでいい
素直で可愛いな、鈴は」


「照れちゃうからやめてー！！！」


「もっと照れろよ
ほらほらほら」


耳元で息をふぅ～と吹き掛ける晃。

ちょっぴりくすぐったい。


「やめて、やめてよ晃
くすぐったいから」


「やめなーい」


「晃のいじわる～」


「いじわるで何が悪い？
もっとそういう鈴の表情が見たいなぁー」


「もうやめないと、」「やめないと何？
キスでもすんの？」


私の声に覆い被さるように、晃が言った。


「…」


「ふ～ん
図星なんだ
鈴は表情に出るから分りやすいんだよ！！」



む、ムカつくー！！！


でもまぁ、キスしたいのは本音だし！？


べ、別にキスくらい
問題ないもん！？