キスに秘められた大粒の涙
そう目線で晃に訴えかけようとしていたら、晃が咄嗟に口を開いた。


「俺、彼女いないです」


その答えは、とてもあっさりしていて

しかも軽々しく口にするとは…


何だか、頭の中でブチッと糸が切れたように

急に落ち込んだ私。


何か、裏切られた気分。


私は力が抜けたように、糸で操られている
無表情の操り人形みたいな感覚に陥った。


私は、晃の彼女には相応しくないんだよね…



晃は私を彼女としては見れないのかな。


ただの友達。
そうただの。



"俺、彼女いないです"
"俺、彼女いないです"
"俺、彼女いないです"



うるさいくらい頭の中でリピートする、晃が言った言葉。



耳を塞いでも、いつまでも繰り返されるような気がした…。





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