キスに秘められた大粒の涙
そして席に着くと、ふぅ~とため息混じりの一言。

思わず頬杖がつく。


「鈴、よろしくな!!」


隣に座っている晃が、一瞬咳払いをし
話し掛けてきた。


「こちらこそよろしく」


窓が開いている外からは、風が教室内を突き抜けるように…
カーテンがなびくのと同時に、私の髪をなびかせた。


外から差し込む黄色い光が、
暖かな温もりとともに…
晃の横顔をパッと、キャンドルのように照らして、一瞬オレンジ色に灯る。

これが晃のオーラみたいに…
眩く目に焼き付ける夜景の一部のように…


私の目がおかしいからなのだろうか…?



晃が微笑むと、グラウンドの木々達が
大きく風に仰がれ、葉っぱが力強く
ゆらゆらと揺れた。



晃が怒ると?

晃が泣くと?




どんな風に自然は表現するんだろう…。
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