愛してる。とか言わないで
俺の部屋にいる莉子を見るのは久しぶりだった。



前は莉子は俺の部屋でテレビを見たり、雑誌を読んだり…



莉子の私生活が見えてきそうなほど気を許していたのに。


今日の莉子はなんだかやけにお喋りで、あまり俺とも目を合わせない。



「友也、昨日のドラマ見た?」



「昨日は…見てないかな」


見ておけばよかったな…



会話が弾まないというより、沈黙を避けている。



莉子は何をそんなに焦っているのだろう…



亜美佳のことに一切触れてこない…莉子。



触れてこない限り、俺からは話せない。



莉子があの時、俺の言葉に予想以上に傷ついていることに、今になって気づいた。


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