愛してる。とか言わないで
見透かされているようなこの瞳…



「私、莉子の友達です」



彼女は本当に年下なのか…と疑いたくなるほど、余裕の笑みで自己紹介した。



「それで…莉子と同じ匂いがしたんだ」



俺の言葉に少し笑って、



「あー。あの香水は私があげたんです。いい匂いでしょ?」



そう言った。



「まぁ…」



俺は複雑な気持ちで頷いた。



「友也先輩はこの香りを嗅ぐ度に、莉子のこと思い出しちゃいますね…きっと」


確かに…



その通りだ。



「まぁ…女の子なんていっぱいいるから…。友也先輩ならヨリドリミドリ…でしょ?」



にっこり笑っているその笑顔の下に、一体何が潜んでいるんだ…


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