愛してる。とか言わないで
「具合悪いって大丈夫なの?」



心配してる友達には心の中で謝った。



「うん。大丈夫」



見送る友達を置いて先にカラオケを出た。



春とは言っても、夜はやっぱり冷える。



薄着で来たことを後悔しながら歩いた。



「あ…いた…!」



何?



振り返るとそこには、息を切らしている…



「泰輔…?」



何なのこの人…



人がせっかく早く抜けて帰ってるっていうのに。



「なんで黙って帰んの?」


だから、あんたを好きにならないためだよ…


あんたが来たら意味がないでしょ?


「疲れたから」



私はなるべく感じ悪く、素っ気なく言った。



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