愛してる。とか言わないで
「いいなぁ、莉子は。愛されてるって感じで」



「那美だって…彼氏いるじゃん」



莉子には泰輔は彼氏だと言っている。



まさか彼女持ちに手を出したなんて…



莉子には言えない。



なんとなく軽蔑されそうな気がして…



「まぁねぇ…」



大切にされてる。



それなりに好きでいてくれてる。



求められてる…



だけどそれは、私がこの状況に不満も文句も言わずにいるから。



たとえ2番目でも…



期間限定でも…



このチョコレートみたいに、冬が終わると泰輔は私の前からいなくなる。



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