愛してる。とか言わないで
私は、その日の夜を眠らずに明かした。



惨めな、情けない自分。



女としてのプライドを踏みにじられ傷ついた心。



泰輔への未練…



破裂しそうな心には夜が明けても何ひとつ光が射すことはなくて、ただただ痛みが増していくだけだった。


私はもう全てがどうでもよくなっていた…



学校に来たものの、教室へ行くのも嫌で…



ウロウロしていたら要先輩に会いそうで…



結局非常階段に向かった。



鳴り響くチャイムを聞きながら、私は非常階段の踊り場で寝転がった。



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