愛してる。とか言わないで
でも、泰輔がここに来てくれて、私のために怒ってくれてるってことが嬉しかった。



「泰輔…いいの。もう…」


私はもうその泰輔の気持ちだけで、傷が癒えるのを感じた。



泰輔はゆっくり要先輩から手を離した。



「那美ちゃん…本当にごめん!」



慶太がまるで保護者のように、要先輩の頭を押さえつけた。



「慶太も…もういいよ」



慶太は、ゆっくり顔を上げた。


少し遅れて、要先輩も顔を上げた。



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