愛してる。とか言わないで
はぁ…すっきり。



私は走ってその場を離れた。



私は高校に入るまで、ずっと髪が短くて生活のほとんどをソフトボールに費やして来た。



日焼けして髪も短くて…



そんな私に誰もかわいいとか言ってなんか来なかった。



でも、部活をやめて髪を伸ばして色も白くなっていくうちに…



だんだん周りの目が変わっていった。



高校に入ってからは、兄が目立つせいで私までもが目立つようになってしまった。


兄も私も目立つのは苦手なのに…



家に帰って、兄の部屋へ直行する。


ドアを開けて、


「あの王子と友達やめてよ」



兄に向かって言うと、



「…まぁ、そう言うなって…光輝はあれでいい奴なんだから」



そう呑気に返された。


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