愛してる。とか言わないで
「日向ちゃん…愛してる」


私は一瞬にして赤面した。でも、自分が動揺してるのをひた隠す。



「何言ってんの…」



後退りしながり、いつも通りを装う。


そんな私をまっすぐ見て、光輝先輩は真面目な顔をする。


「俺は、いつでも本気だよ。日向ちゃんへの気持ちは最初からずっと本気だったから」


顔が熱い。

恥ずかしさが限界。


これ以上王子に見つめられたら、隠しきれない…


逃げようとした私の腕を王子は引き寄せた。



「わぁ…」



引き寄せられると、王子の顔が目の前に!



「捕まえた!」



王子の膝の上にすっぽりおさまった私…



そんな大きな目で私を見ないで…



吸い込まれる。



「つ、捕まえられました…」



私は何がなんだかわからなくなってしまって、でも、もういいや…って思った。


この気持ちを認めなくちゃって。



王子はそっとキスをした…


ますます真っ白になる私の頭の中で、王子の声だけは確かに響く。



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