愛してる。とか言わないで
莉子が起き上がって俺の方に向き直る。


機嫌直ったみたいだな。


「それ、ほんと?」


まだムスッとしてるけど、ちょっと顔が赤い。


「俺は莉子が思ってるよりずっと、莉子が好きだよ」


そっと抱き寄せると、莉子のシャンプーの香りがする。


莉子が、顔を上げて目が合ってゆっくりキスをした。


小さな頃から負けず嫌いで、頑固で、寂しがり屋で…


そんな莉子のどんな表情だって俺は大好きなんだよ。


もう、これって愛じゃんって思うんだけど…


泣き顔も実は好きなんだよな。


莉子が涙する時は、笑顔になるまで付き合うよ。


泣き顔の後の笑顔は格別だからね。


泣いてもいいよ、その後必ず笑顔になるように。

俺が頑張るから。


泣き顔は俺だけに見せてね。


そして、嫌って言ったって何度でも言うよ。

「愛してる…」










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