愛してる。とか言わないで
「自分で買えよ」



楓は私にジュースを渡しながら言った。



「いいじゃん、ケチ」



そう言いながらグビグビっと飲んだ。



「一口じゃないし…」



楓が笑った。



「莉子…あのさ…」



キス事件ぶりになる私達はなんだか少し気まずいような恥ずかしいような…



そんな気持ちだった。



「楓…ただの幼なじみはキスはしちゃいけないと思う…」


楓は私の言葉に、少し顔が赤くなった。



「莉子…俺は莉子が好きだよ」



楓の言葉に私の体温は一気に上がる。



「なに、急に…」



私まで真っ赤な顔になった。


私達は誰もいない部室の方へと歩いて行った。



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