愛してる。とか言わないで
部室へと続く階段の途中で楓は座った。



私も楓の隣に少し間をあけて座った。



「莉子…俺は莉子のこと大切な幼なじみだと思ってるけど…それ以上に女として莉子が好きなんだよ」



楓…



素直に楓の言葉は嬉しかった。



でも…



幼なじみが彼氏になるっていうのは想像できないんだけど…



「楓は…私を応援してくれてたじゃん…」



誰に恋してても、楓は支えてくれてた…



「それで莉子が幸せなら諦めもつくけど…泣いてばっかりの莉子を見てたら、俺が幸せにしてやりたいって思うようになってさ…」



楓はやっぱり赤い顔でそう言った。



「楓…」



私はどうすればいいのかわからなくて、戸惑っていた。



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