愛してる。とか言わないで
でも、楓の部屋で楓とこんなことをしてるという現実に、ふと冷静になると恥ずかしくなって…



「か、楓…あの…」



私は、また楓の手を止めた。



楓は少しため息をついた。


「莉子…ちょっと黙って…」



「はい…」



私は楓の顔を見ながら、ゆっくり目を閉じた。



楓は、私にまるで大切な宝物に触れるように触れて、キスをいっぱいしてくれた。


時々強引になる指に、唇に…


私は何度も楓の名前を呼んだ。



「莉子…愛してる」



楓の声が優しく響いた。




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