愛してる。とか言わないで
「まだ…」



莉子は口をとがらせて言った。



「やっぱり…」



莉子はそんなことはどうでもいいとでも言うように、虫かごを揺らした。



仕方ないので、階段を降りて、外に出た。



「カブトムシ捕まえに行く!」


莉子は言い出すと聞かないから、僕は仕方なく網を持って出かけた。



捕まえられっこないのに。


こんな感じで、僕の夏休みは過ぎて行く。



「アイス食べよ」



莉子は駄菓子屋のアイスクリームが好きで、いつも食べたがる。



「いいよ」



僕も一緒にアイスクリームを食べることにした。



座っていると、3年生の3人組がやって来た。



「おい、アイスくれよ」



坊主頭が言った。



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