愛してる。とか言わないで
「アイス食いたきゃ自分ん家の金で買え!」



莉子はそう言って虫カゴを持って歩き始めた。



オカッパが莉子の髪につかみかかった。



「きゃあ」



莉子はそのままひっくり返ってしまった。



僕は動くことができずに固まっていた。



すると莉子は虫カゴでオカッパの頭を殴った。



オカッパは大泣き。



「カッパは川で泳いでろ!」



莉子は僕の腕を引っ張って歩いて行った。



「すぐに負けたらダメだ!楓は男なんだから」



莉子は僕にそう言った。



その頃、莉子は僕にとってヒーローだった。



莉子はどんな時でも僕を守ってくれるヒーローだった。


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