愛してる。とか言わないで
と、まぁ実際10年経った今も忘れてない。



恋をする度に泣いてる莉子を何度見ただろう…



だから、もう…



俺の手で幸せにしてやりたいって思ったんだ。



7歳のあの莉子の笑顔が、7歳の俺に恋をさせて、こんなに長く片思いさせるんだから。



全くすごいもんだな…



本人は全く気づいてないけど。



あ…莉子が付き合ってた…

3年の友也とかいう…



だんだん近づいて来た。



「なぁ…莉子と友達…だよな?」



え?



「まぁ…幼なじみですけど」



突然何なんだ…?



「俺が海に行けなかった日…駅に行ったら、莉子連れて帰るの見かけたから」



この人…あの日、本当は駅に戻ってたのか。



「どうして言わなかったんですか?」



俺の質問に、



「まぁ…小さい人間って思われたくなかったんだろうな」



そう答えた。


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