愛してる。とか言わないで
昔から亜美佳はそうだった。


何でも勝手に決めて、先々一人で進んで…



俺はいつも取り残されて。


亜美佳は、



「友也、私と結婚したいなら…私よりも背が高くなって、力持ちになって、たくさんお金を稼いでね」



まだ4才だった俺にそんなことを言った。



「うん…がんばるよ」



4才児の俺は頷いた。



がんばる…



亜美佳をどこか意識しながら育ってきたことには違いない。



毎日牛乳飲んだり、勉強したり…



亜美佳がバスケ部だったからってバスケ部に入ったり。


亜美佳が行ってた高校を受験したり…



俺はいつもどこか亜美佳を追いかけていたんだろう…


誰と付き合っていても、どこか亜美佳の面影を彼女に見たりして…


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