愛してる。とか言わないで
「友也先輩、いつもつけてたブレスレット…今日はつけてないの?」



莉子は俺の腕を見ながら言った。



よく気づいたな…



「あぁ…もういいんだ」



それだけ見てくれてるってことか。



「亜美佳…元カノ婚約したって聞いてさぁ」



心配そうな莉子の顔を見ていると、なんだかとても打ち明けたくなった。



「結婚て…どうやっても手が届かなくなる気がしてさぁ…」



情けない男と思うだろうか…


こんな未練タラタラな男を。


「私が、先輩の淋しさ埋めてあげる」



莉子の顔が俺に近づいて来て…


キスされた。



すごく柔らかくて、優しいキスだった。



「お前なら、ほんと埋めてくれそうだよな…」



莉子の笑顔を見ながら俺は本気でそう思ったんだ…



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