愛してる。とか言わないで
「私、昔はよく男の子に間違えられて、物置に隠れて泣いてたの…」



ケラケラ笑いながら話す莉子を見て、俺も一緒に笑った。



「物置の中で泣いてたら、いつも迎えに来るのは幼なじみの子でね…」



幼なじみ…



ふと亜美佳の顔が頭によぎった。



「なんで幼なじみなの…?」



莉子はなんて答えるんだろう…



「うちは、小さい頃から両親が共働きでね。それで、いつも幼なじみの子と一緒にいたんだよね…。お兄ちゃんはいつも遊びに行っていなかったし。だから、その子が1番長く一緒にいたからかな…」



莉子は楽しそうに言った。


きっと、その幼なじみのことを思い出しているんだろうな…



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