夏の名前
祖母が降りてくる音がする。
統子は本を置いて、台所へ向かった。
「おはよう。 おばあちゃん。」
「あら、統子ちゃん、お早いのね。」
うん、と軽く頷いて、統子は椅子に座った。
今日は、総勢20人程の御飯が必要だ。
統子も手伝おうかと祖母に聞いたが、台所に立つのは1人がいいらしく、断られた。
仕方なく、椅子に座ったまま、祖母が沢山の朝食を作っているのを見ていた。
8時頃には皆集まった。
子供がいる家族は、皆で遊びに行く計画を立てていた。
他の人達もそれぞれ予定が決まっている様だ。
統子は今日何をするか全く決まっていなかった。
両親にはゆっくり過ごしなさいとしか言われて無かったので、具体的な予定は思い付かない。
この自然の中をサイクリングしようかとなんとなく考えていた。