夏の名前
摘果は長くはかからなかった。
正午前には全て終わり、自宅へ引き上げた。
「今日の午後からは、お休みとします。
母さん達はお客様の接待よろしくお願いします。
俺と父さんは仏間の手入れをします。
君らは、さっさと課題を片付けて、有意義に過ごしてください。
8月16日迄、用事がない限りお盆休みとします。
以上。」
昼御飯の時に父さんが言った。
課題は終わっている。
自慢ではないが、成績は良い方だ。
つまり、約1週間、休みができたと言うわけだ。
速斗は頭の中でしたいことを並べる。
本屋に行って、
自転車で遠出して、
バスケして、
友達に会って…
ふと今朝の彼女の事を思い浮かべたが、すぐに忘れてしまった。
それよりも、これからの自由な時間が楽しみだった。