夏の名前




速斗は自分の体が熱くなるのを感じた。



告白ではないにしても、女子にここまで真っ直ぐな想いをぶつけられたのは初めてだった。





真っ赤になりながら速斗はOKした。




「じゃあ、何時ごろ行く?」





「んー… 何時でも。」





速斗はどう返事したらいいか分からなかった。

出掛けるときって…どうすんだろ…


「…お昼食べてからでいい?」




「いいよ。」





「じゃあ、一時に…えっと、御薬師さんの所に集合で。」




「おやくしさん…?

ごめん。分からない。


あ、ここじゃ駄目かな?」



「あ。 そうだね。

じゃあ、一時にここ集合で。」



「うん。」





「…あ、じゃあ…

また…」



「うん。


あ、分かれ道まで一緒に行きたい。」



「…はい。」




「…いやだった?」



「…え? いや、ぜんっぜん嫌じゃないよ!

ごめん、ちょっと緊張するだけ。

誰かと出掛けるなんて、僕にはほとんどないから。」




「そうなんだ。

私も出不精だから、大丈夫。」



統子はそう言って歩き出した。





「…あ、でも、こっちの市街地ってもほんとお店少ないよ。

ビックリしないでね。」



「大丈夫。


すごく楽しみ。」



「あ、自転車ある?」



「うん、多分。」






2人で田圃の中を進み、いつものところで、別れた。




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