夏の名前
「12時43分…」
時計をみて暫く考える。
「もう、行ってもいいかな…」
自転車で行くので少し早い気がしたけど待ちきれなかった。
台所にいた祖母に出掛けるから自転車を貸してほしいと言うと、裏に置いてあるのはどれでも使っていいと言われた。
忙しそうにしていて、統子がどこに行くのか聞いてこなかったのは好都合だった。
母親も居なかったので、統子は誰かに見つかる前に家を出た。
自転車に乗って速斗のことを考える。
先に着いてるかな…
自転車の上で統子のテンションは上がった。