夏の名前
今朝まで通っていた道より1つ手前で曲がってしまって、川沿いに着いたのは良いものの、約束の場所より大きく離れてしまった。
引き返そうかと悩んだが、方向は一緒のようだったのでそのまま進んだのが仇となった。
時計を見ればもう59分。
ここからどのくらいかかるのか統子には分からなかったので、焦っていた。
それでも下流に向かって漕いでいると、速斗が待っているのが見えた。
統子は自然と笑顔になっていた。