夏の名前
親戚が騒がしくしている頃合いを見て、統子達はお墓参りに出掛けた。
もうすぐお盆。
両親はやっておくべき事を早く済ませたい様だった。
お墓参りのついでに分家にも挨拶に伺う。
あっと言う間に日が落ちた。
その晩、大人達は昔の話に興じていた。
同世代の親戚も居た様だが、統子は殆ど会った覚えがなく、肩身が狭かった。
夜は彼らと同じ部屋で寝るように言われて、統子は正直乗り気で無かった。
彼らは皆県内に住んでいるらしい。
何家の子だか分からないが、小学6年生の女の子が話しかけてきた。
彼女は私の事を知っているらしい。
統子は皆に合わせた。
決して楽しいわけでは無かったが、これから1週間以上滞在するここで、トラブルを起こしたくなかった。