My Story
失ったもの
あたしは8月にこの世に誕生した。
いつ頃からだろう。
バシッ!
ガン!
「痛いよ…」
と泣き叫んでは
『泣くな!』
と叱られては、蹴られては叩かれていた。
親の近くにある物が凶器に変わって、あたしを襲う。
ベルトや金槌(カナヅチ)や木刀etc…
ギャァギャァと痛みで泣いた時あたしの左手の薬指と小指に金槌を当てて…
ドン!
と打ち付けた時、鈍い音がした。
もちろん病院になんて連れて行ってもらえない。
いまだに指は曲がらない…。
あたしの記憶では、弟の康之(ヤスユキ)が生まれてから、あたしへの暴力は益々酷くなって行った。