天体望遠鏡の向こう
当の本人は呑気なもので、河原で待っていた男の子たちに向かって笑顔で走り寄っていた。
「ご近所のことも考えろって…。全く、親の顔が見てみたいな」
流星はすでにたつや達のもとについていて、何か話をし、一瞬で笑い転げ合っていた。
しかし、男はある違和感に取りつかれた。
流星が言っていた人数は六人。
今騒いでいる少年たちは、四人だ。
全く、流星は数も数えられないのか。
そう思ってため息をつく男の背後から、いきなり声が聞こえた。
「あ、こんばんわ。流星のお父さん。俺、たつやの兄のゆうきです。初めまして」
男はびくっとして、望遠鏡を落としそうになってしまった。