天体望遠鏡の向こう



にやにやしながら言った流星を怒鳴り付ける。





「へー、なんか流星の父ちゃん、若いしかっこいいけど全身黒いの着て、なんか泥棒みたいだなー!!」


「おい!ばかたつや!!」





ゆうきがずばっと言い切ったたつやの頭を、すぱーん!とひっぱたいた。





「ぎゃー!」


「すいません、ほんとばかな弟で…」





頭を下げるゆうきに、気にしていないと首を振ったが、男の心臓はどくんどくんとうるさかった。


帰り道でもいい、鞄を取って逃げなければ…。



そうして作戦を組もうとしていた男の耳に、リョースケの甲高い声が突き刺さった。





「ああーっ!!」


< 13 / 32 >

この作品をシェア

pagetop