天体望遠鏡の向こう
にやにやしながら言った流星を怒鳴り付ける。
「へー、なんか流星の父ちゃん、若いしかっこいいけど全身黒いの着て、なんか泥棒みたいだなー!!」
「おい!ばかたつや!!」
ゆうきがずばっと言い切ったたつやの頭を、すぱーん!とひっぱたいた。
「ぎゃー!」
「すいません、ほんとばかな弟で…」
頭を下げるゆうきに、気にしていないと首を振ったが、男の心臓はどくんどくんとうるさかった。
帰り道でもいい、鞄を取って逃げなければ…。
そうして作戦を組もうとしていた男の耳に、リョースケの甲高い声が突き刺さった。
「ああーっ!!」