天体望遠鏡の向こう
「リョースケ、どーした!!」
たつやの言葉に、夜空を指差し口をぱくぱくさせるリョースケ。
「いま、ながれぼし…」
「ええっ!?」
たつやが空を見ると、夜空の遠くで、白い光が小さく、でも確かに、一筋。
六人の遥か上を、流れていった。
「わああ…」
たつやが感嘆の声をあげる。
「来たね!これからどんどん来るから、みんなちゃんと願い事言うんだよ!!」
ゆうきがにかっと笑うと、話を聞くためゆうきを見ていた四人の少年はばっと視線を空に戻した。
男もつられて上を見る。
するとそこには、
「…ああ」
無数に散らばる星々が。
雲に隠れた新月の輪郭が。
闇をこぼした夏の夜空に、ひとつひとつ輝いていた。
赤い星、青い星、そして名前も持たない小さな星までもが。
それはまるで、ヒトやヒトがそれぞれを主張し、輝こうと懸命に生きているようで。