天体望遠鏡の向こう
男の心が震えた。
自分が見上げるには、あまりにも大きすぎる空に。
自分が夢見るには、あまりにも美しすぎる星たちに。
おまえの生き方は正しいのか?
そう、責められているようにも感じて息が苦しくなった。
今自分は、この夜空の下に立ってもいい生き方をしているのだろうか。
今自分は、自分が正しいと思った生き方ができているだろうか。
今自分は、なりたい自分になれているだろうか。
昔、天文学者になりたいと思っていたことを思い出した。
そして夜空は、男にさらなる追い討ちをかける。