天体望遠鏡の向こう
照は、
「足が速くなりますように、足が速くなりますように、速く足がなりますよう…あれ?」
たつやは、
「兄ちゃんが結婚できますように、兄ちゃんが結婚できますように、、兄ちゃんが…いて!!何すんだよ兄ちゃん!!」
そして、流星は。
「天文学者になれますように…」
「え?」
男は思わず声をあげた。
流星の夢が、自分の子供のときと同じものだったから。
「天文学者になれますように」
早口だが、懸命に、しっかりと言葉を紡いでゆく流星。
「天文学者になれますように…」
そして、言い終わる。
一回も噛まずに3回言い切った。