天体望遠鏡の向こう
「いよっしゃああああ!!言えたあああ!!」
飛び上がって喜ぶ流星。
他の三人も、うらやましそうな顔をしてすぐにリベンジする。
「父ちゃん言えたぜ…って、え?なんで泣いてんだ!?」
「は?」
男が顔に手を当てると、確かにそこは涙で濡れていた。
「な、なんでだよ。俺が望遠鏡持たせたから?ご、ごめん。帰りは俺が持つから、泣くなよ、なっ?」
必死に男の周りをうろうろする流星に、思わず笑みがこぼれた。
暖かさと共に、切なさを交えた笑みだった。
「目に巨大なごみがはいったんだよ」
「ほんとか?なあ、ほんとに大丈夫?」
「ほんとだよ。だから…。なあ、ほら、みんなを応援してやれよ」