伯爵令嬢の結婚
「そうでございますか。もしや、お嬢様は公爵様にご興味がない?」


ずばっと核心をつかれ苦笑いが浮かぶ。
流石に公爵家の人間に本音を言うわけにはいかない。


「いえ、ただわたくしなどが公爵様にお目通りするなどおそれおおくて…」


おほほと手を口元にあてる。


「そんなに警戒しなくてもよろしいですよ。旦那様に言いつけたりはいたしません。」


私の心の内を読んだのか、ボーイがにっこりと微笑んで言ってきた。

変わった使用人もいたものだ。まあ、信用するわけではないが。
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