伯爵令嬢の結婚
一瞬で手紙を父様に奪われた。

無意識に手紙を破り捨てようとしていたらしい。


「うそでしょう…」


嘘だと誰か言ってちょうだい。

大体私は公爵の顔さえ見ていないのだ。
なんでそんな娘を公爵が選ぶのよ?!


きっとこれは何かの手違いね。そうに違いない。


私は確信した。



「でかしたぞリリス!これでもうお前も苦しい生活をしなくてもいいんだぞ!」


父様が弾んだ声で私に言う。
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