伯爵令嬢の結婚
「では、リリス行こうか。」


そう言う父様に連れられるがままラザフォード邸に足を踏み入れた。



「素晴らしい庭だな。国中探しても三本の指には入るんじゃないか?」


「恐れ入ります。」



ラザフォード邸は夜とはまた違った雰囲気で、手入れが隅々まで行き届いていることが素人目にも分かる。

その美しさに暫し見とれていると、使用人が立ち止まりこちらに向き直った。



「あちらの部屋に先のラザフォード公爵夫妻がいらっしゃいます。」
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