伯爵令嬢の結婚
あの夜の出来事を反芻して、こんなことを言う人物はリリスの中で一人しか浮かばなかった。



「……ま、さか、あの時の使用人の…」



「ふふ、やっと思い出したのね?」




(う、うう、嘘でしょーーーー!?)


なんてことだ。

あの醜態を唯一見せてしまった人物がまさか最も見せてはならない人だったなんて…!

そして、はっと顔を上げる。



「では…あの会話も…」
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