伯爵令嬢の結婚
元々社交界自体が苦手なリリスにすれば迷惑な話である。


「良いではありませんか。この舞踏会でもしもリリス様が花嫁に選ばれれば、我が伯爵家は安泰ですわ。」


「応援していますよ!」と拳を握るアンナに「はいはい…」と力なく言う。

というのも、リリスのレヴァイン伯爵家は昔こそ地位は高かったものの年々力も衰え、加えて近年続いた飢饉により生活も苦しくなってきてしまった貧乏貴族なのだ。


リリスは招待状がきたこと自体不思議に思っているほどだ。


「ラザフォード公爵ねぇ…」
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