伯爵令嬢の結婚
「ひ…卑怯ですわ。秘密だと言ったでわありませんか…」


「ええ、誰にも言ってないわよ?」



実に面白いものを見るような目で見られる。



「それは…!では、何故ご自分が公爵だとおっしゃらなかったのですか?」


「それでは意味がないからよ。」



公爵様がはっきりと言い切った。



「誰が自分の妻…いえ、妻というのは名だけのそれに相応しいかを見るため。」
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