てのひらで紡ぐ。
序章
「はいはーい、注目!!今日から皆に新しい仲間を紹介しまーす!」
パンパンと両の手のひらを打ち合わせながら私達の担任が声を張り上げる。
まるで小学生に聞かせるような言い回しだけど、それに対する突っ込みを入れる生徒は誰もいなかった。
新しい仲間。
前々から噂になっていた転校生が、ついにやってくるのだ。
ざわめいていた教室内が、徐々に静まっていく。
最後の一人が口を閉ざすと担任は頷いて、扉の方に視線を向けた。
「入ってきていいわよ」