瞳が映す景色
「早く彼女作って下さい。もしあなたが男を好きでもオレは無理だから。……なんか最近、白鳥さんと遊んでるの多い気がする」
「女の子しか大好きじゃないから安心してよ。ゲンちゃんとなら予定合わせやすいし、僕、友達少ないからじゃない?」
「少ない、ようには見えないけど」
それはむしろオレだ。どちらが社交的じゃないかなんて一目瞭然だけれど、それとこれとは違うと、白鳥さんは言う。
「昔は、必要な情報を与えてくれる人しか求めてなくてうわべだけの付き合いばっか……気付いたら、些細な話とか冗談言えたり、腹を立て合ったりする存在なんていなかった。そういうのが友達で、欠かせない絆なのにね。ゲンちゃんといるのは、そうだねえ――予定云々も確かだけど……」
何故か、照れながら告げられる。
「学生時代は、友達なんて考えなくても出来る。けど、大人になってからのそういう出会いは、 結構な奇跡だと思う。だからそれを大切にしたいだけだ。……心配も、ずっとしてたんだよ。春からずっと、ゲンちゃんは不安定だったから」
確かに……こんなこと、オレは照れても言えないけれど。
「――、そうかも」
友達のことも、オレのことも両方。
確かに、オレはいつも、気遣われていた。