瞳が映す景色
一年間で培ってきた関係の中で、やけに心許された感じになってしまったあたしは、公式な白鳥さん以外を晒されてしまい、やけに同情するようになってしまった。
まるで飲み屋の女将と常連客みたいだと落胆する。あたしはそんな老けているのかと。……そりゃあ、歳より上に見られるのが日常だけど。髪をショートにしてからは余計にそうなってしまったけど。
駄目だいけない。こっちも愚痴っぽくなってしまった。
休日は来たり来なかったり、平日は毎日うちにお弁当を買いにくる姿は、割りとヘロヘロで疲れている。そんな姿をもっと皆に出してしまえばいいと指摘もした。そうしたら友達増えるんじゃない?と言ってみたけど、そんな気はさらさらないみたいで。
多分、そういうところは不器用なんだろう。
教師としての姿は、スマートで努力せずともそれなりにこなしているように見せていて……そんなことしてるから、他事とのバランスがとれないのだ。見栄っ張り。
バランスが……悪いから、恋愛も間違った方面から抜け出せないんだ。
おそらく、報われないであろう、救いのない恋を諦められないんだろう。
相手のことは知らない。けど、助言出来ることは、諦めて安らかになれとしか……。
相談めかした懺悔をしてくる白鳥さんの片想い相手は、幸せな人妻だ。
やっとこさエアコンが効いてきた室内に気付き、窓を閉めにかかる。カーテンを引く際に向かいのマンションの四階を見上げ、貴様ももう寝ろと悪態をついた。
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②ー1・白い鳥の憂鬱
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