瞳が映す景色

今日は、話によると高校の文化祭最終日だったっけ。


「白鳥さん。何か大失敗やらかしちゃったの?」


「まさか。僕がそんなヘマをするとでも?クラスの和風カフェは大成功。他も特にトラブルなし。一般開放もあったから来たら楽しかったと思うよ?」


文化祭か。懐かしい。羨ましくて自分のそれを思い出す。一般開放まではこぎつけられなかった。全校生徒での学校側との討論会等々、色々頑張ってはみたけど、実現には至らなかった。


「へえ。そっか。楽しそう。あたしは展示物とか巨大くす玉とかの製作ばっかだったから食べ物羨ましい」


「衛生検査とか他にも、面倒多いけどね」


主に担任が、と白鳥さんは肩を回して解しながら、来年はやりたくないと言った。


「それはお疲れさまでした」


でもきっと、来年がそうだとしても真摯に取り組むんだろう。




「――生徒にさ~」


話題はいつの間にか軌道修正させられていたようで、多少恥じらいながら、白鳥さんは両の手のひらで自分の頬を包んでいた。


「あ~……また告白でもされたとか?」


いやでも、そんなことなら日常茶飯事。知りたくもないけど、懺悔部屋で、ありふれた日常として聞かされていた。 恥じらいの様子と比例していないような。


さして重要性を感じてないと悟られたみたいで、瞬く間に否定をされてしまった。

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