瞳が映す景色
「――じゃあ、以前の特殊例みたいな、生徒会書記とか剣道部主将みたいな?」
「ちっ、違うよっ!!……あれは思い出したくもない……」
っていうか、あんたは告白してきた人物男女問わず全てキレイさっぱり記憶消去してるだろ!!……面倒だから心で突っ込む。
ちなみに、生徒会書記と剣道部主将は男子生徒だったらしい。
お腹も頃合いに空いてきたから話を急かすようにすると、白鳥さんは一度離した手のひらを再度頬に充てた。どうやら、上気した顔を冷やすためらしかった。
「……生徒に、酷いこと、しちゃったかなあ、って」
…………、
「なんだ。やっぱり手酷く振ったってことじゃない」
「違うって!!」
「だってそれしかないじゃない。白鳥さんが生徒に対して酷いことするのって」
「そっ!?」
「何よ」
上気した頬がもう少し赤らんだことにより、妙な違和感を覚える。
そうして、
「それって、――ずいぶん、僕の教師としての姿に全幅の信頼を寄せてくれてるって、こと?もしかして僕の職場にスパイでもしに来てくれた?」
口を滑らせてしまったことにようやく気づく。
「推測で言ってみた。……それに、最悪なことがまだあったりしたら救いようないなって哀れんだだけ」