瞳が映す景色

――――
――


……翌日。


今日は、オレが教室へ行く用事は特にない。この準備室でコソコソと仕事をしていればいい。幸い、雑務は山のようにあるんだからな。


思っていたのに……、


ギシギシと、背後にある準備室の扉の開く重い音がした。


どうせ白鳥先生だ。あの人は何故だか毎朝、ここに来てお茶を飲んでいく。


きっと、きっとそうだ。そうであってくれ。


「おはようございます。片山先生」


昨日からこんなに願っているのに、神様はことごとくオレをスルー。にわかはお呼びじゃないということか。


「……」


言葉のひとつひとつが、最後までキレイな発音で紡がれる朝の挨拶。昨日までの『センセ』は、美しい響きの『先生』へ。


オレが軽く指摘した……。


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