瞳が映す景色
「でも、もう片山先生も私も、なかったことには出来ませんよね? ――だから先生。私は諦 めるつもりはないので、先生も考えて答えを出して下さい。生徒だからっていう理由じゃなく、私を見て下さい。気持ちを伝えただけで満足だなんて考えは一切ないんですっ」
「……」
決して、冷めた子だとは思ってなかったが……。
「私は、片山先生が欲しいです」
「なっ!!」
中途半端な断り方が、かえって意地にさせてしまったのか。強力すぎる言葉に絶句した。
受け入れる、とかじゃあないが、七つも年下の相手に負けそうになる。
「……オレは……」
「私っ」
「っ!?」
「先を急ぐので、失礼します」