瞳が映す景色
振られた卒業式の日と同じ行為で平静になるなんて、あたしだって、一度は顔を背けた。どうやったって、そこに繋がってるとしか思えない、反芻の行為。あれを土台として、成立してしまった行為。
でも、方法は現段階でこれしかなかったし、別が見つかればそっちに飛び付く算段だ。いつかは使えなくなる有限の方法なんだし。
悪いことはしていない。カラオケや買い物、やけ食いとか、そういうのに比べたら需要があたしくらいにしかないだけで。
誰にも迷惑はかけていない。
皆勝手にしてるんだからあたしだっていいじゃない。
相手がある人に横恋慕したり、帰りたい人を引き留めて延々長話をしてきたり、誰かを根本から否定するなんて迷惑なこと、
してないからいいじゃない。まだあたしのほうが、ましだ。
大丈夫。
これは一種の方法だ。
間違ってなんかない。
責められることなんかない。
いけないことなんて、なにもないんだ。
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②ー6・いけないことなんてなにもないんだ
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