瞳が映す景色
②ー11・全部。ずっと。
―――――――――――――――――――――
②ー11・全部。ずっと。
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「ふざけないでっ!!」
嫌だ嫌だ嫌だっ。気持ちが悪い。吐いてしまいそう。ならまだ叫んでしまったほうがまし。
「こ……」
「頑な? 訳がある? 白鳥さんがそれを言うのっ!?」
「な、にを」
「こんなふうになったのは白鳥さんのせいじゃないっ!!」
もう何度目だろう。こんなふうに、白鳥さんに傷付くのは。
違う。傷付けられたんじゃない。
それは、たった一度、あの日だけで。
あとは、そう。今みたいに、あたしは勝手に傷付いてるだけ。
突然の激昂に、ただただ困惑するばかりの白鳥さんに腹が立つ。記憶にないのにあたしはそれを責める。
「白鳥さんのせいよっ!!」
忘れたままでいて。思い出さないで。今の関係だけでいい。
違うでしょう?
だから、あたしは腹が立つんだ。
あたしはずっと、こうしたかった。白鳥さんを責めて責めて、あたしがどんなに悲しんで苦しかったかを、怒りをぶつけたかった。
忘れてしまったことで訳も分からず非難されるなんて、可哀想だね――でも、白鳥さんが悪いんだよ。白鳥さんだって傷付いてしまえばいい。
あたしは、優しく包まれる手を持つそんな人間じゃない。
あたしはずっと、自分本位に詰りたかった。
爆弾か、表面張力が保てなくなったかなんて、もう考えてもどうしようもない。ダムの決壊は、多分無神経に過去を持ち出されたからなんだろう。
タイミングは最悪。全部最悪。こんな逃げられない状況なんて。
大きな声は、一度解放してしまえばきりがなかった。向けた刃は、手入れされずに放置していた錆だらけの汚いもの。
「ねえ……あの頃のあたしと今のあたしの気持ちは、どう違うの?」
教えてよ。
②ー11・全部。ずっと。
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「ふざけないでっ!!」
嫌だ嫌だ嫌だっ。気持ちが悪い。吐いてしまいそう。ならまだ叫んでしまったほうがまし。
「こ……」
「頑な? 訳がある? 白鳥さんがそれを言うのっ!?」
「な、にを」
「こんなふうになったのは白鳥さんのせいじゃないっ!!」
もう何度目だろう。こんなふうに、白鳥さんに傷付くのは。
違う。傷付けられたんじゃない。
それは、たった一度、あの日だけで。
あとは、そう。今みたいに、あたしは勝手に傷付いてるだけ。
突然の激昂に、ただただ困惑するばかりの白鳥さんに腹が立つ。記憶にないのにあたしはそれを責める。
「白鳥さんのせいよっ!!」
忘れたままでいて。思い出さないで。今の関係だけでいい。
違うでしょう?
だから、あたしは腹が立つんだ。
あたしはずっと、こうしたかった。白鳥さんを責めて責めて、あたしがどんなに悲しんで苦しかったかを、怒りをぶつけたかった。
忘れてしまったことで訳も分からず非難されるなんて、可哀想だね――でも、白鳥さんが悪いんだよ。白鳥さんだって傷付いてしまえばいい。
あたしは、優しく包まれる手を持つそんな人間じゃない。
あたしはずっと、自分本位に詰りたかった。
爆弾か、表面張力が保てなくなったかなんて、もう考えてもどうしようもない。ダムの決壊は、多分無神経に過去を持ち出されたからなんだろう。
タイミングは最悪。全部最悪。こんな逃げられない状況なんて。
大きな声は、一度解放してしまえばきりがなかった。向けた刃は、手入れされずに放置していた錆だらけの汚いもの。
「ねえ……あの頃のあたしと今のあたしの気持ちは、どう違うの?」
教えてよ。