瞳が映す景色
助けられてばかりの自分に溜め息が漏れる。
「……教師にはそれくらいの神経は必要ですよね。オレ……やっていけるのか。負けてやんねえとか、そこまで思えないオレが、教師やってていいのか……」
「馬鹿なことを。高井先生に信用されてるってこととか、プラスの面も見ようとしないで落ち込むのは無し」
そりゃあ、そのことは素直に嬉しかった。認められる、ということは、地に足をつけていられる要素のひとつだ。
「僕だって、ゲンちゃんのことは信じてるよ」
「――ありがとう、ございます」
それが、見習いたい人物たちからのものなら尚更。
「まあ、初めてのことだったから仕方ないさ。――あっ、でも……二度目だったか。忘れてた。ごめんね~?」
「……」
……………………
……、えっ?